おもてなし外国語講座・第3回秋の研修会「共生社会を迎えて」

2025.12.25

日 時:令和7年11月29日(土)13:00~15:20

場 所:県立総合福祉センター401会議室

参加者:計58名(OB会員50名、非会員3名、ゲスト5名)

① 開会の言葉(略)

② 開会にあたって(松本OB会長)

 小学校でプログラミングの授業をしていますが、最近は小学校の英語の授業で歌やクイズなどの体験を取り入れ、少しずつ自然に異文化に親しめるようになってきています。またスマホの翻訳アプリで英語や多言語を身近に感じられるようになってきました。朝ドラの「ばけばけ」を見ていますが、同じ言葉でも通じるときと通じないときがあります。外国語の学習をすることは認知症を遅らせることにもつながるとも言われています。好奇心を持つことが健康や長寿につながると思います。今日は楽しく学びましょう。

③ 研修会の意義と目的(白川講座長)

 令和6年12月末の徳島の外国人は8907人(法務省データによる)で、77人に1人が外国人とのことです。接する機会も増えています。徳島で働いている外国人は何を感じているか、また受け入れる側の企業はどう向き合っているのだろうか、言葉や文化の違いを乗り越えて企業として生産性を上げていくために、どんな努力をしているのだろうか―という視点で考えていきたいと思います。お互いがWINWINの関係になれることが望ましいと思います。

④ 講演者紹介(菊池副講座長)

 ・ハリ・エコ・プラセティオさん NPO法人MITRA SETARA代表、  介護福祉士

 ・若江和哉さん(医療法人ゆうあい会事務局長)

 ・小坂圭子さん(日本語教師)

 ・フィフィ・ワリアンティさん(介護士、インドネシア出身)

 ・グエン・ティ・ハーさん(介護士、ベトナム出身)

 ・寺澤祥水さん(英会話20期、外国旅行が趣味)

⑤ 全員で合唱

若江さんのギター演奏に合わせて、坂本九の「幸せなら手をたたこう」と五輪真弓の「心の友」を皆で合唱しました。

ハリ・エコ・プラセティオさん

 ⑥ 講演1「徳島で働く外国人、支援するNPO法人」(エコさん)

 2009年、EPA(インドネシアと日本の連携プログラム)で来日しました。徳島とインドネシアの架け橋になりたいという志をもっています。現在、NPO法人MITRA SETARA(ミトラセタラ)を設立し、 徳島在住のインドネシア人の就職などの支援を行っています。外国人労働者と企業の良い関係づくりを目指しています。企業が安心して外国人労働者を雇用できるように、また長く働いてもらえるような環境をつくり、徳島の人材不足を軽減できればと思います。

 徳島での在留資格として「技能実習生」「永住者」「特定技能生」「留学生」の4種類があります。それぞれに特徴がありますが、職種や在留期間の制限が設けられています。特に特定技能制度は人材不足の軽減、経済の安定と成長、外国との関係強化や地域の活性化に貢献しています。一方、日本語習得や生活習慣の違い、他者とのトラブル、メンタルケア、他県への転職などいくつかの問題も抱えています。

 生活習慣においては来日前、日本の文化や生活のルールを学びます。さらに来日後、生活オリエンテーションを行っています。会社に母国の宗教や文化を紹介し理解してもらうようにしています。日本語能力検定はN1~5までありN3合格を支援しています。また、日本人や同国人とのトラブルがあった場合は、情報収集して間に入って解決します。そして来日したばかりの若者のホームシックや仕事や生活上に問題があった場合は、定期と臨時の面談を行います。ときには食事をともにして気持ちをほぐします。また、徳島に就職してから5年たたずに他県に転職するケースも多いので、徳島の魅力を発信し、ここでの生活を楽しんでもらえるようにすることが大切だと思います。

フィフィ・ワリアンティさん
グエン・ティ・ハーさん
小坂圭子さん

◇日本語を支援(小坂圭子さん)

 名古屋国際センターで日本語の会のボランティア活動をしていましたが、やりがいを求め日本語教師になることを決意しました。高松の日本語教師養成講座を修了し、インドの技能実習生の送り出し機関へ就職しました。その後帰国し、逆に技能実習生の受け入れ組合に所属し、現在はNPO法人MITRA SETARAで日本語支援活動を行っています。活動内容としては日本語の復習、ごみの分別などの生活オリエンテーション、JLPTの試験対策、会話クラスの指導、介護福祉士などの国家試験対策を支援しています。

 ⑦ 講演2「外国人労働者から見た徳島の魅力」(ハーさん・フィフィさん)

 エコさんからの14の質問にそれぞれが答えるというインタビュー形式で、ハーさんとフィフィさんにお話を伺いました。

   質  問   ハーさん  フィフィさん
なぜ日本で働こうと思いましたか安全な日本で仕事がしたかった日本の文化が好きで経験したい
仕事で何が大変ですか利用者さんとのコミュニケーション日本語でのコミュニケーションと力仕事
日本と母国の働き方の違いは日本では教えられた順番で仕事。母国では自分がやりやすい順番日本では時間厳守。母国ではぎりぎりか遅れることもある
日本の生活は慣れましたか9年経ち慣れました慣れたが、夏が暑い
MITRA SETARAさんからどんなサポートを受けていますか在留資格の更新や書類関係の補助生活相談や日本語のサポート
日本の生活で驚いたことは日本では自動車があまりクラクションを鳴らさないごみの分別が細かい
休日には何をしていますか買い物、家事、外食、旅行買い物や家の掃除
日本語の勉強はどのようにしていますか職場で日本語を使う。週1度のオンライン授業  アプリや本。1日に10個漢字を覚えるようにしている
日本語で困ることは利用者さんと難しい話をするときの会話が難しい漢字を覚えるのが難しい
日本と母国の文化の違いは母国では大皿の料理を自分の箸で取るが、日本では取り箸を使う母国では仕事が終わった時「お疲れさま」という挨拶はない
日本に来る前と実際の日本とのイメージの違いは日本は車社会でうるさいと思っていたが静かだった日本人は厳しい人が多いと思っていたが優しい人が多い
将来何をしたいですか料理が好きなのでベトナムでレストランを開きたい今の仕事を続け日本語を勉強して介護のスキルを高めたい
これから日本に来る外国人に伝えたいことは介護記録が難しいので漢字の勉強をしたほうがいい日本語の勉強をし、困ったことは周りの人に相談したらいい
日本人に伝えたいことはありがとうございますいつもありがとうございます。これからもよろしくお願いします

◇ 会社側の評価(若江和哉さん)

 金融関係の仕事を60歳で退職して現在、ゆうあい会の事務局長として勤めています。医療の現場は厳しい状態であり、経営を介護分野へと広げています。現場では人の流動化が激しく給与水準が高いところへ移るという状態が続いていました。3年ほど前から外国人の採用を始めました。彼女たちは人柄がよく高い評価を受けています。そして給料の大半を親元に仕送りしています。フィフィさんはオンライン面接で採用され、3カ月後入国して初めて会いました。すでに現地の専門学校で基礎的なことを学んでいました。雇用する上での問題点として、彼女らのマンションの借り上げにランニングコストがかかるということがあります。また言葉の問題もあり、夜間に一人で任せるのは難しい。給料の高い都会へ転職も可能であり、長く働いてもらうため風通しの良い職場環境にすることを心がけています。例としてイスラム教の礼拝をするための部屋も設けています。

⑧ 会場とパネルディスカッション・質疑応答

 Q どうすれば英語が上達しますか.

 A  日本では教育の一環として英語学習が位置づけられていますが、外国人は日本語を習得しなければ面接も受からず、生活に結びついています。目的意識をもつことが意欲につながっていると思います。

 Q 現在、他県と人材の取り合いになっていますが、徳島を選んでもらうためにはどうしたらいいでしょうか。

 A 給与面、職場環境、日本語支援、生活支援をきめ細かいものにすることで選んでもらいやすくなると考えています。経営者側の努力が必要と思います。

 Q どうして徳島を選んでくれましたか.

 A 徳島に10年住んでいますが、住みやすく職員さんが優しく困ったときに助けてくれます。

⑨ 特別報告「ヨーロッパ旅行記 ベルギー編」(寺澤祥水さん)

 退職後に春、秋の海外旅行に行ってきました。春のベルギー旅行についてお話しします。円安でも工夫しだいで、上手に旅をすることができます。大阪→ブリュッセル(ガースビーク)→ゲント→ブリューン→(オーステンデ・ダム)→アントワープ(リール・メーヘレン)→ブリュッセル→大阪という経路で旅をしてきました。

 ゲントは修道院など教会建築が美しい町です。ギルド商業組合の街並み、運河のクルーズ船もおすすめです。フライドポテト、パンがおいしいです。ブルージュは中世の古い街並みが美しく、世界遺産に登録されています。アントワープは港町で中央広場やフランダースの犬で有名です。ミケランジェロ像、ルーベンスの絵画、カトリックの教会建築、彫刻も美しい。ダムは、こうのとりやブリューゲルの生家があります。またヨーロッパは自転車道が発達しています。

⑩ 閉会にあたって(濱尾巧久OB会副会長)

 徳島で働く外国人として問題提起してくれたエコさん、パネラーの皆さん、寺澤さん、松本会長ありがとうございました。徳島県民は近年、外国の方との共生化社会を迎えています。また、徳島新聞でも「多文化共生社会」を考えるというテーマで記事が掲載されています。外国の方には資格やビジネスレベルの日本語教育が必須となっていますが、県民の求める先は外国人ではないかと結論づけています。おたがいに共生社会を円滑に生きるように努力していきましょう。